十二音技法(じゅうにおんぎほう、英:Twelve-tone music, 独:Zwölftonmusik)は、一般にアルノルト・シェーンベルクが1921年に創始した(とされる)作曲技法である。ドデカフォニー(dodecaphony)ともいう。
12平均律にあるオクターブ内の12の音を均等に使用することにより、調の束縛を離れようとする技法である。十二音技法による音楽を一般に十二音音楽と呼ぶ。一般に無調の音楽の一つとされるが、十二音技法を用いることにより一種の調にも似た統一感が得られるので、十二音技法を一種の調であると主張する専門家もいる。
この技法の原型は、ヨーゼフ・マティアス・ハウアーが1919年に著作で発表した「トローペ」と呼ばれる音列技法である。さらに遡ると、ウェーベルンが作曲した「チェロとピアノのための3つの小品」が原型であるという説もあり、これが現在最有力となっている。
以下に挙げるのはシェーンベルクが提唱した十二音技法の作曲方法である。
オクターブ内の12の音を均等に用いるために、最初にそれらの音を1回ずつ使った音列を作る。そのような音列は、12!(=479,001,600)通り作ることができるが、その全てが同等に使用できるというわけではもちろんなく、音列そのものに工夫を凝らすことが作曲家の仕事の第一である。場合によってはベルクのように、音列に調性的要素を織り込むことも可能である。
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この音列に基づいて作曲するとするならば、この音列の順で12の各音が現れなければならない。そして12の音がこの順で全て現れるまではいずれの音も反復して用いてはならない。ただし、和音として(連続する)いくつかの音を同時に鳴らすこともできる。音名が同じであったら、どのオクターヴの音を選んでもいいし、異名同音の読み替えも自由である。ただ、ヴェーベルンの後期作品においては、オクターヴによる調性感を避けるため、ある音名の音がどのオクターヴに現れるかまでもが厳密に管理された。音価やリズム、和音として同時に鳴らす音の組み合わせを様々に変えることで、一つの音列の基本形(後述するような変形方法によって変形されていない元の形)からでも様々な楽想を生み出すことが可能である。最初期の12音音楽はほぼこの基本形とその移高形(後述)の繰り返しのみで作曲されたが、音楽的多様性をもたらすために、さらに次のような、カノンやフーガなどでも見られたのと同様な手法による、音列の派生形が用いられる。これらの基本形や派生形、そしてそれぞれの移高形を重層的に同時進行させることもでき、これにより一つの基本音列から多種多様な楽想を発展させることが可能となる。